静商ギャラリー ー歴史と文化の回廊
静岡商業高等学校の校舎には、卒業生の制作による作品や著名な作家による芸術性溢れる、絵画や彫刻、版画等が廊下や階段の踊り場などに、多く展示されています。また海野光弘記念館には30余点の海野光弘の作品が展示され、まさに美術の回廊(ギャラリー)となっています。
現役の生徒たちは、日頃から美術、芸術を身近に感じることが出来、その素養を常に高める機会を得ています。
校舎全体が、美術の回廊(ギャラリー)になっている学校は県内や全国を見ても数少なく、今後もその内容、質を一層高め、現役の生徒達が優れた美術品に常に接する事が出来、その素養を高める事が出来る日本を代表する高校ギャラリーになるよう、同窓会も協力を惜しみません。
海野光弘記念館の他、校内の各所には、海野光弘の版画はもとより、元職員で静岡高校にもその作品が展示されている大村政夫の(登山の像)。そして前庭には杉村孝様のオブジェ(いしぶみ)など、40点にものぼる秀作が展示されています。




特筆すべきは<海野光弘記念館>と<佐藤行蔵先生胸像>です。
共に、静岡商業高等学校創立110周年記念事業の一環として開設そして再整備、展示したものです。
海野光弘記念館
海野光弘は、静岡市田町に生まれ、田町小学校ー末広中学校ー静岡商業を経て、家業の染物屋を営むかたわら、版画家として、多くの作品を制作しました。その作品は(寡黙であり雄弁である)と評され高い評価を得ていました。特に静岡商業時代の作品(かえる)はNHKTVで紹介され、一躍注目を集めました。
残念ながら39歳の若さで没したのですが、その後も全国各地で展示会が開催され、現在は島田市博物館分館海野光弘版画記念館そして、静岡商業高等学校海野光弘記念館に常設展示されています。
貴重な作品も多く、中学時代の作品から、静商時代ー社会人時代、そして亡くなる前の作品が展示されており年齢を重ねるたびの作品の変化がはっきりと理解できます。
現在、静岡商業海野光弘記念館は月曜日〜金曜日の午前10時より午後3時まで、開館、ご覧いただけます。






佐藤行蔵先生胸像
佐藤行蔵先生は昭和19年より昭和38年までの20年間、校長として、静岡商業の復興と発展に尽力されました。
昭和39年、同窓生たちが彫刻家として著名な大村政夫先生に佐藤行蔵先生の胸像制作を依頼、佐藤行蔵先生に贈呈。その後静岡商業創立80周年を機に、佐藤先生より学校に寄贈され、長い間、応接室に置かれていました。
そして創立110周年を機に、同窓生、現役生徒等にその見事な胸像を見てもらい、佐藤行蔵先生の功績に想いを馳せ、そして大村政夫先生の作品を堪能して貰う為、正面玄関に設置、展示されました。静岡商業の正面玄関。静商ギャラリーの入り口です。ぜひご鑑賞いただき、静商ギャラリー全体をご堪能ください。
大村政夫
- 昭和26年 静岡商業高校に美術の非常勤講師として着任。同年頃、現在静岡商業高校に展示されている<登山の像>を制作。自らこの作品に非常に愛着を持っていたと言われている。
- 昭和38年 静岡商業高校退任。
- 昭和39年 <佐藤行蔵先生像>制作。
佐藤行蔵先生が静岡商業高校の校長を勤めた期間と大村政夫が美術の講師として静岡商業高校に勤務した時期は、12年間にも及び、この期間に二人はその交流を深めたのではないか、その二人の教育者としての思いが<佐藤行蔵先生像>に結集したと思います。


静岡商業同窓会は、<静商ー歴史と文化の足音>をテーマのもと、今後も創立120周年事業の一環として、静岡商業高校に協力、静商ギャラリーを一層充実させ全国でも類い稀な高校ギャラリーを作っていきます。